Mom's Language Cafe

~ わたしの英語時間 ~

『子どもについて』

あなたがたの子どもたちは
あなたがたのものではない。
彼らは生命そのものの
あこがれの息子や娘である。

彼らはあなたがたを通して生まれてくるけれども
あなたがたから生じたものではない、
彼らはあなたがたと共にあるけれども
あなたがたの所有物ではない。

あなたがたは彼らに愛情を与えうるが、
あなたがたの考えを与えることはできない、
なぜなら彼らは自分自身の考えを持っているから。

あなたがたは彼らのからだを宿すことはできるが
彼らの魂を宿すことはできない、
なぜなら彼らの魂は明日の家に住んでおり、
あなたがたはその家を夢にさえ訪れられないから。

あなたがたは彼らのようになろうと努めうるが、
彼らに自分のようにならせようとしてはならない。
なぜなら生命(いのち)はうしろへ退くことはなく
いつまでも昨日のところに
うろうろ ぐずぐず してはいないのだ。

あなたがたは弓のようなもの、
その弓からあなたがたの子どもたちは
生きた矢のように射られて 前へ放たれる。

射る者は永遠の道の上に的をみさだめて
力いっぱいあなたがたの身をしなわせ
その矢が速く遠くとび行くように力をつくす。

射る者によって身をしなわせられるのをよろこびなさい。
射る者はとび行く矢を愛するのと同じように
じっとしている弓をも愛しているのだから。

(ハリール・ジブラーン『子どもについて』 神谷 美恵子 訳)


今までいく度か目にしたことのある、そしてそのたびに心から共感をおぼえる、大好きな詩です。

今回このような形で自身のブログでご紹介できることを、とてもうれしく思います。

子を持つ親であれば、特に母親にとっては、心に響く詩なのではないでしょうか。

わたしも息子が生まれたとき、「この子はわたしのものではなく、天からの大切な預りものなのだから、自分の勝手な価値観を押しつけてはいけないんだ」と思ったものでした。

そのときの気持ちを、これからも忘れないようにしたいです。


f:id:mlcafe:20191012212551j:plain